9月が終わりそう。

Sさんの利用もあと数回かぁ………って思よーる矢先、保育所からお呼び出しが。

クラスで流行りだした病の疑いがあるそーな………(^_^;)

普段は仕事が昼までとかで帰る時にはSさんに「帰りますね。またね。」って言うんじゃけど、何であの日はそのまま帰ってしまったんじゃろうか。

だって、また会えるって思ったもん。
最後じゃないって信じとったもん。





………結局、最後だったんじゃけどね………。



その数日前、Sさんの家から戻ったヘルパーさんが
「Sさんがデイに可愛い、いい子が新しく入ったよってよったよ。私はね、えっ?そんな可愛い子おる〜?(笑)って聞いたらね、t-pさんの事だったんよ(^^)笑
私の可愛い孫を可愛いがってあげてねってよったよ」
って教えてくれた。

思わず
「Sさんて、もう日数無いの知っとってんですかね?」
って聞いたら
「私はこの家に長くはおれないってよったけぇ、もしかしたら知っとるかもしれんね」
って返事が返ってきた。

Sさん、どっちなの?


相変わらず職場では、絶対に元気でねとかとにかく最後を匂わせる言葉は言わない様に言われていた。

でも…Sさんが知ってるなら、最後に気持ち伝えたいよ………。

あなたの孫は一生懸命頑張ります。
孫だと言ってくれてありがとう。
いっぱいいっぱいありがとうって気持ち伝えたいよ。


モヤモヤしたまま利用最終日の前日がやって来た。

相変わらず我が子は療養中。

最終日も会えそうにない。


写真と………手紙を。


手紙も最後臭を出さず……でも、文末に“良かったら手紙下さい”と書いた。


先輩職員さんにお願いして渡してもらえる事になった。


でも、手紙は………………。

最後の最後までいつも通りに見送ってほしいというご家族の気持ちを大切にする為に、手紙は抜いてもらった………。


最後なのに、もう会えないのに、感謝の気持ちすらも伝えられないの?って思うと同時に涙が出て止まらなかった。

Sさん………
Sさん………………って。


自分にとったら失礼じゃけど、死別くらいの寂しさと悲しさがあった。

Sさんのこれからの幸せを考える事もできず、自分のじぃちゃん、ばぁちゃんが死んだ時くらいの心のぽっかりさがあって
とにかく泣いた。


父に話すと
「最後に顔を見たら絶対に悲しくなるし、写真を受け取ってもらえたんじゃけぇそれだけでも良かったと思うし、気持ちは伝わっとるはずよ」
って言ってくれて、少し落ち着いた。


でも、子どもを寝かしつけた後に絶対に来ると思ったけぇ、先輩職員さんにLINEをして全部吐いてみた。


何回かやり取りをして、途中Sさんは認知症だと教えてもらった。

もしかしたらそうなのかなぁとは思ってはいたけど、認知症なら尚更一人暮らしよりも誰かが家にいる環境の方がいいよなぁ、Sさんも不安は減るよなぁって思うと急に気持ちが軽くなって吹っ切れた。

Sさんはうちの事を忘れてしまうかもしれないけど、自分は絶対に忘れないからSさんが完璧消える訳じゃないよなぁ、自分が覚えてたらそれでいいよなぁって。


自分の悲しみよりもSさんの幸せを願う気持ちが勝った瞬間だった……………。